第2回スニーカーエイジ関東大会の「グランプリ大会」出場校を対象に行われるサウンドクリニックに参加しました。
1校につき、セッティング込みで60分の「レッスン」が行われ、その後も各校30分以上の念入りな打ち合わせがあり、「これを3日間20バンド分やるのか!」と思うと、本当に頭が下がります。
さて、そのクリニック、参加した部員にとっては戸惑うことの多い場となりました。その理由は――
(1)コーチ以外からの「技術指導」や「レッスン」に慣れていない。
本校の生徒は、普段コーチ以外からの技術指導を受ける機会がほとんどありません。合同ライブのような場で他校の先生から講評をもらうことはありますし、コンテストなどで審査員からコメントをもらうこともあります。ただ、それらは全てが「正解」ではなく、部員らも「一つの考え方」として受け止めているはずです。
また、コーチとて、普段からつきっきりで指導をしているわけではなく、各々の楽器や楽曲についても「基本的な考え方」を教わるケースがほとんどです。「この楽曲のこの部分についてこの楽器の演奏はこのようであるべき」といったスタイルでのレッスンはほとんどないと言ってもいいと思います(Vo.の表現については多少ありますが)。
(アレンジについても一つの明確な方針があり――今回のクリニックはコピー曲なので関係ありませんが――、「ダメ出しはするけれど提案はしない」ということを心がけています。「そこのコードはこうであるべき」とか「こういうアレンジをしたらどうか」ということは、言いたくてたまらないのですが、そこのところをグッとこらえ、当人たちで考えてもらうのが中杉スタイルです。)
そうやって、ある程度のおおまかな方向性を提示された上で、あとは自分たちで考えながら技術向上を図る、というスタイルであるがゆえに、今回のクリニックのように微に入り細を穿つような指導には戸惑う向きが多かったのだと思います。加えて、そうやって一つの方向でしか指導を受ける機会がないために、少しでもこれまで心がけてきたこととの矛盾を感じてしまうと、そこにも大きな戸惑いが生じるようです。(なお、顧問とコーチで指導やアドバイスの方向性が矛盾することは、ほとんどありません。なぜなら顧問が言っていることは全てコーチの受け売りだからです・笑)
今後は、専門学校のクリニックなどにも参加して、様々な角度からアドバイスを受けることに「耐性」を付けた方が良いかもしれませんね。
(2)「手抜き」をして既製品のスコアを提出したのがまずかった。
クリニックに参加するにあたって、スコアの提出が義務付けられています。オリジナル曲で、上手にスコアが書けない場合には「コード譜」のようなものでも良いと言われていたのですが、今回はコピー曲であったため、既製品のスコアをそのまま提出しました。
ただ、今回の楽曲、基本的に本校の生徒は誰もスコアを見ていません。一部「お手本演奏動画」を見た者がいるかもしれませんが、それとて「参考程度」です。数年前までは「オリジナル曲以外はスコアがないと弾けない」という部員がほとんどだったのですが、近年、部のレベルも向上し、どんどん「耳コピ」ができるようになってきました。顧問・コーチとしても、この流れを大いに歓迎しています。
そういうわけで、今回もその「流れ」の通り、皆が当然のように耳コピをしました。とはいえ、まだまだ未熟なところがあるため、きっと「完コピ」というところには至っていませんでした。
部としても「不完全な耳コピ>スコアを見て完コピ」という価値観ですし、特に今回は「完コピよりも出来るだけ多くの部員が演奏に参加する」というコンセプトがあったため、スコアにないような演奏も加わることになります。
一方、クリニックの指導者としては手元にスコアがあり、しかも演奏する曲は予選に課された「規定曲」そのまま、指導者側もイヤというほど聞いたであろう楽曲――という条件で、上記のように不十分なコピーを演やれば、当然のことながら「それでは不正解だ」ということになります。
ここらへん、オリジナル曲で臨んでいたら、どんな指導が入ることになるのか――興味があるところです。もし次回オリジナル曲で臨んだら、また別の戸惑いが生じることになるのでしょう。
「あまりにも生徒が混乱するようなら、次回のエントリーは見合わせようか」とも思いました。ただ、事前に「このイベントのクリニックはこういうものだ」ということが織り込み済みなら、それでもいいかな――というのが現在の顧問の立場です。慣れないことに参加したのだから「まあこんなもの」でしょうし、こんな風に戸惑ってみるのもまた大人になるのに必要なステップなのかもしれません。
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日程:2016年12月28日(水)
企画:スニーカーエイジ関東大会 サウンドクリニック
主催:廣済堂
場所:代官山音楽院
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