2017年 スニーカーエイジ関東大会グランプリ大会 1/22

活動レポート

エントリー動画撮影から半年をかけて行われてきた、スニーカーエイジのGP大会がめでたく大団円を迎えました。

まずは大会関係者の皆さまには、高校生軽音楽部員に活躍の場を与えてくださったことに対して厚く御礼申し上げます。さまざまな書類書式や、各種段取り手続き、大会を盛り上げるための工夫に至るまで、伝統ある大会としての自信と信念が伺え、東京の連盟役員の端くれとして、大変勉強になることが多いと感じました。

(それだけにGP大会のリハと当日に会場へ行けなかったのは残念でした。きっと当日の本番運営にもさまざまな工夫が凝らされていたことでしょう!)

我が部の成績としては
予選動画審査→2位
二次審査→4位
GP大会→5位
と、ジリジリと順位を下げ、長期決戦の弱さを露呈した結果となりました。(その他、原因分析をすればキリがないですが、それはこの場ではやめておきますね。)

さて、そのスニーカーエイジ、確固たるスタイルが確立しており、規模も大きく、「あとはどれだけ各校がスニーカーエイジシフトを敷いて、この土俵で頑張れるか」ということになります。

そこで、主としてオリジナル曲を中心に活動している我々がスニーカーエイジにどう向き合うべきなのか、考えてみました。

◆普段のバンドで臨むか、特別編成で臨むか

まず、忘れてはならないのは、「オリジナル曲に取り組む」ということは、すなわち、「楽曲と演奏者が切っても切れない関係にある」ということです。少なくとも私(顧問)が本校部員に期待しているのは、彼ら彼女らがステージでオリジナル曲を表現することを通じて、その人のパーソナリティが透けて見えるような、そんなパフォーマンスです。(この場合の「パフォーマンス」は「演奏」と「ステージング」の両方を指します。) そして、それが自己満足に堕すことなく、客席に向けた「表現活動+エンターテイメント」として昇華していることも重要です。

そういう「精神」から考えると、今年の取り組みの過程と発想は、全くもって中杉らしくなかったな、と反省します。
 動画予選→規程曲
 二次審査→規程曲+自由曲
 GP大会→どちらか
というレギュレーションを考えるなら、「規程曲」にこだわるよりも、最終的に自由曲(ウチならオリジナル曲)を演奏することを視野に収めておくべきでした。しかしながら初挑戦の今年は、手前の規程曲でウケることばかり考えてしまったために、自由曲は「やっつけ」のコピーになってしまい、GP大会進出が決まった時にも「規程曲でいくしかないよね」ということになりました。

ここらへん、完全に顧問の方針がブレたなあ~と思いました。つまり、関西の「大人数コピー風」も挑戦したい、だけど部としての活動方針を大事にしたい――これがどっちつかずになった感じです。

顧問としてはかねがね、連盟の秋の大会(BF)に関西のバンドのような大人数で出場してみたい、という思いがあったのですが、結局毎年4~5人の「いつものバンド」で出場してきました。(それこそ、1校1バンドしか出られないのに、デュオ編成でエントリーしたこともありました笑) それが今回、たまたま「好きだ。」という大人数でやるのにうってつけの規程曲を与えられ、「とにかくたくさんの人をステージに上げる」という方向に傾いたわけです。

これまでの本校の取り組みを考えるなら、仮に「大人数」を目指すにしても、母体としてパーマネントなバンドがまずあって、そこに「色付け&味付け」として、人が加わっていくスタイルが良いでしょう。今年は完全な「有志」でしたし、「枠いっぱいの人数である12人で出てみる」という「編成」に意識がいっていました(少なくとも顧問は)。こういう意識では、GP大会5位止まりなのも、無理ない話でしょう。

つまり、もし来年度もトライするのであれば、やはり既存のパーマネントバンドを軸に部内選考をすることになります。そして、部内選考の段階で、少なくとも二次審査を見据えて「規程曲+オリジナル曲」の出来栄えで出場バンドを見極めなければなりません。ただ、そうなると、やっぱり部内でお互いにライバル関係になるので、A,B,Cというバンドの中からAというバンドが代表になったときに、その「色付け&味付け」としてB,Cの人たちが合流しうるか?という問題が出てきます。(今までだって、「せっかく1校1バンドなんだし、出演バンドにさらにメンバーを加える&加えてもらう、という方向で動いてみたら?」と呼びかけたものの、代表のAというバンドの編成が変わる(増える)ということはありませんでした。)

こういう悩みはおそらく、首都圏の部活では共通しているのではないかと思います。だから、結論から言うと、「スニーカーエイジ関東大会で大人数で臨んでGP大会で好成績を収める」というのは、すごく難しい!という結論に至るかもしれません。

今年度12人編成が実現したのは、「パーマネントなバンドでなくても、それ用の編成でそれなりのことが出来てしまう」という、中杉の活動の特徴ゆえのことでした。幸い私たちは、タウンセブンのお祭りだとかクリスマス会だとか、老人ホーム慰問とかで、その都度「それ用」の編成と曲で演奏が出来てしまったので、今回も有志バンドで「GP大会までいけてしまった」という側面があります。

――なんかネガティヴに書いてますが、今回のウチのステージがクソだった、とかそういうことではなく、今回の挑戦としてはナイストライだったと思っています。演奏にしてもパフォーマンスにしても、あの練習時間と取り組み姿勢を考えれば上出来でした。だいたい、本番含めて「12人全員が揃って演奏した」というのは、「運営提出用(照明確認用)」に校内で動画を撮影したときだけですからね…(本番すら一人欠けていましたし)。言いたいのは、今回もそれなりにウチの強みを出していけたが、まだこんなもんじゃないはず、ということです。(負け惜しみ!?)

◆スニーカーエイジの傾向と対策!?

さて、ただここで問題となる点がいくつか。

第一に、スニーカーエイジ(とくにGP大会)は、「観客が老若男女どんな人であれ、ポジティブな気持ちになれる」ということを志向しているように見えます。これに「寄せていく」ということが高校生の表現活動として果たして健全なのかどうか。

表現活動である以上、ポジティブな表現だけとは限りません。RadioheadもNirvanaも人を鬱な気持ちにさせて世界の人々の共感を得たわけですから。今回、連盟BFで素晴らしい結果を残したバンドが非常にネガティブな曲調のオリジナル曲でトライしてGP大会進出を逃しました。――それは楽曲がネガティブだったから落選だったのかは分かりませんが、ああやって観客にポンポンを持って応援することを求める大会である以上は、やっぱりネガティブな曲だとダメなのかな~と思ってしまいます。(BFで奨励賞をもらった本校のバンドも、あの楽曲でエントリーしたらダメだったかも。)

だからといって、「受賞狙いであえてポジティブな曲を作る」というのは、あまりやらせたくないことです。(でも、ウチの部員はきっとそこのところは「計算」しちゃうのだと思いますが。)

次にもう一つの気になることは、サウンドクリニックの存在です。今回の本校の取り組みについては以前に書きましたので、割愛しますが、「オリジナル曲でクリニックに臨む」場合について。

聞くところによると、オリジナル曲でクリニックに臨むと、かなりアレンジに手が入るとのことです。これは主催者側がGP大会をより完成度の高いイベントにするために良かれと思ってやっていることです。中途半端な演奏と中途半端なパフォーマンスを、より完成度の高いものにすべく、事前に出来るだけアドバイスをしたい――という主催者側の精神はよく分かります。

ただ、アレンジを直されコードを直される、というのは中杉としては歓迎できません。私たちは普段から「正解」を示すことをしない。イマイチな部分を「イマイチ」とは言うが、「こうしたら?」はできるだけ言わないように我慢しています。それは、正解を与えて完成度を高めることよりも、不確実な正解に向けて試行錯誤する経験の方が、中杉生にとっては必要だと考えるからです。大学の学問も、社会に出て直面するさまざまなことも、全て「決まった正解」がありません。「少なくともこれは不正解だよな」というところから、「ベストとは言えないまでもどうやってベターに近づけるか」という課題解決力をもった人間になる――これが中杉音楽部の(というよりも中杉の)教育です。高校生の考えが及ばなかったせいで、本来なら10になるべき素材が6にしかならないとしても、顧問としては全く気にしません。(いや、さすがに6はイヤかなー笑)

一方、主催者側として「せっかく10になる素材なのに、アドバイスが(=クリニックが)不十分で6の状態で本番を迎えるのは忍びない」と考えるのもよく分かります。イベントとしては完成度が高い方が良いに決まっています。でも、「クリニックではダメ出しだけして、提案はしないでください」とお願いするとなると――そのお願いを聞き入れてもらえるか分かりませんが――1時間のクリニック時間はいらなくなりますね。

さて以上書いたことのほとんどが「GP大会まで行ける」ということを前提に書いていることは、非常に不遜なことは理解しています。そもそも動画審査で落選したら、以上書いたことなんか、ほとんど関係なくなりますからね。

部員の皆さん(特に1年生54期生)、来年度、どうしようか?

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日程:2017年1月22日(日)
企画:第2回 We Are Sneaker Ages グランプリ大会
時間:12:00 応援団入場 12:30一般開場 13:00開演
場所:豊洲PIT
入場:部員+中杉生 35名まで無料(ただし事前に応援練習あり)
   保護者・一般の方はこちら
主催:株式会社廣済堂
   株式会社廣済堂出版
   産経新聞社
特別協力:島村楽器株式会社
協力:miki music mirai 株式会社
   株式会社吉田正樹事務所
   株式会社ブレイン
   株式会社ブロッサムレポート
後援:一般社団法人 日本レコード協会
   東京都教育委員会
   神奈川県教育委員会
   千葉県教育委員会
   埼玉県教育委員会

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