2025年 SEO対策とAIとの攻防 9/13 

2012年から始まった緑苑祭テーマソングPV、今年も力作が出来上がりました。

年によっては「作って公開して満足」、ということも多いのですが、今年は再生数を伸ばすことを頑張っているようです。(毎年、そこを頑張るように呼びかけているんですけどね…)

(1)複数SNSによるカウントダウン
5日前からカウントダウンショート動画(リール動画)を決まった時間に投稿し、フォロワーの期待感を高める戦略をとっていました。用いていたSNSは、YouTubeショート、Instagramリール、TikTok、Xでした。

(2)プレミア公開と初期エンゲージメント
YouTubeのアルゴリズムは、動画の公開直後のパフォーマンスを非常に重視しているため、サクラでも何でも良いので(笑)、部員が一生懸命コメントを書き込み、複数回再生をしていました。

また、同じ理由で動画投稿者自身がコメントをするのが大事らしく、部員からは以下のようなリクエストが来ました(部のYouTubeアカウントは顧問が管理しています)。「チャットくん」はもちろんChatGPTくんのことでしょう。

(3)ショート動画との関連付け
動画のアップロード自体は金曜日の晩に行い、プレミア公開セットが翌土曜日の朝、そしてプレミア公開がその土曜日の20時でした。

カウントダウンのショート動画投稿時には、まだMV動画のURLは決まっていなかったため、公開後にチームから以下のような依頼が来ました。カウントダウン動画5分の「関連動画」としてMVを設定しなおし、そこから飛べるようにする、という作業です。

なお「謎判断で消される」云々については後述。

(4)アナリティクス情報の利用
「アナリティクスの情報を元に戦略を練る」ということは、ちょいちょい話をしてきたのですが、具体的に「それを元に次の手を打とう」という発想を持ったのは、この学年が初めてだと思います。

YouTubeのアカウントに部員にログインさせると「こんなところからログインしようとしてくるけどいいの?」みたいなGoogleのセキュリティが働いて面倒なので、基本的にはこちらで情報を切り取って部員に提供することにしました。あえて、細かな解説はせずに、参考になりそうなデータをスクショしてスライドに貼っただけです。

(5)MV公開後に切り抜き動画を公開

普段YouTubeなどを見ていると、ここら辺の動き(=本編動画の切り抜き動画をショート動画で紹介)も、もはや定番と化していますよね!
・動画の存在を知らない人に知ってもらう機会としても、
・「何となく興味はあるもののまだ見ていない人」に見てもらう機会としても、
・一度見たけ人に、もう一度見たいと思ってもらう機会としても、
とても有効だと思います。

(6)次なる矢は…

これは一例。私はまだ、他の手段も思いついていますが、あんまり提案し過ぎないようにします。それにしても顧問は「ショート動画の内容どうしましょう?」の質問には全然答えていませんね!しかも、他校軽音楽部アカウントが「インフルエンサー」というわけでもないのですが、要は「ハブとなる人に働きかける」という戦略が伝われば…と思っています。

これ以降も、部員がどんな戦略を考えてくるのか、楽しみにしたいと思います。

と、いうところまでは、Googleのアルゴリズムのポジティブな利用方法について。以下は、ちょっとネガティブな?側面とその対応についての記録です。

本年7月15日にYouTubeの動画公開ポリシーが大幅に変更され、平たく言うと運用が「厳しく」なりました。

顧問は部活関連のアカウントを2個運用しています。
(A) テーマソングMV等、主に「公開」設定用動画を公開するアカウント
(B) 主に「限定公開」設定で部員だけに公開するためのアカウント

(B)は、合同ライブ等で撮影したバンドごとの演奏動画をアップし、当人たちのセルフチェック用に運用しています。2013年から使い始め、2025年9月16日現在、2435本の動画が上がっています。

ポリシー改訂以降、こちらの(B)アカウント上の動画の「ポリシー違反」が、過去に遡って指摘され始めています。今のところ、ものは限定されており、それは〈学校説明会用プロモーション動画のスタッフチェック用〉にアップしたものが、それにあたっています。

可能性は2つ。
・テスト動画に用いられている音源は商用BGM音源であるため、著作権違反となっている
・「学校」というプライバシーが重視される文脈の動画に「学校長◯◯◯◯」と実名でテロップが入っている

YouTubeサイドからの指摘によると「プライバシーポリシーに違反している」そうですので、後者にあたると思うのですが、基本的に編集無しの「撮って出し」の動画を大量にアップしている(しかも「限定公開」なんていうちょっと後ろめたそうな形で)アカウントですから、YouTube側からは「みだりに制服の若者を撮影して限定公開しているアカウント」という扱いなのかもしれません。心外な!

という背景の元、このテーマソングのテスト版をアップしたところ、ポリシー違反の警告が届き、最審査請求も虚しく削除されてしまいました。

当初は、このバンド+剣道という絵面が、いじめなどと認識されたのだと思っていました。YouTubeのことに詳しい(はずですよね!?)Geminiに聞いても、以下のような答えが返ってきました。

続けて、以下のように質問したところ、メタデータでそういう暴力でないことをAIに教えてあげると効果的だと教わりました。(ついでに、なんというタグを埋め込めば良いかも教えてもらい、素直にそのまま全て入力しました。)

ただ、一抹の不安があるのは、そうした「バンド+武道」という「いじめ」判定ではなく、このシーンが「個人を特定できる情報」として検出されている可能です。いやいや、この方、面を付けていて完全に顔が隠れているんですが、所属と苗字だけでアウトなんでしょうか?

幸い、MV本編をアップロードした先述の(A)のアカウントは、本数もさほど多くない上に、手の込んだ動画が多くアップされています。まだ目を付けられていないので大丈夫だと思いたいのですが、今後のことは「AIのみぞ知る」という感じでしょうか。

そういえば、ストリーミング配信申請代行サービスBIG UP!も、最近規約が変更となり、1枚のアルバムの収録曲制限が25曲になりました。今年は27曲の収録を予定していたため一瞬絶望したのですが、上記のような通知が届き安堵しました。

こちらのサービスは、原則的には年に1枚ずつしか配信しておらず、先述のYouTube(B)アカウントのように何でもかんでも登録するようなことはしておりません。そういう実績(?)が認められて、申請制限を緩やかにしてくれたのでしょう。YouTubeもBIG UP!も基本料金を払わずに利用させていただいています。(BIG UP!の方は、その代わりに収益の7〜8割をサービス側が受け取るような設定になっています。こちらは「聞いてもらう」ことが目的であって「儲ける」ことではないので。)今後は、「お金を払わないヘビーユーザー」については、いろいろと制限がかかっていくのでしょうし、それは無理も無い話ですよね。

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